注射をすると花粉症が治ると聞いたことがあるけれど本当?
- 注射で体に入れるのは花粉?
花粉症対策で注射を使う療法が確かにあります。これを減感作療法といいます。減感作療法とは、花粉症の原因となる抗原である花粉を、少しずつ量を増やしながら体内に入れるという治療方法です。注射で体内に入れる方法もありますし、パンにスギ花粉のエキスを垂らして舌に置き、2分くらい待った後に飲み込むという舌下減感作療法という方法もあります。
- 注射による治療の効果はどのくらいある?
注射による減感作療法によって、花粉によるアレルギー反応を治すことができる可能性はあります。しかし、すぐ治るというわけではありません。体の中に花粉を入れる量を増やすのは体の反応を見ながら少しずつ行われますので、治療そのものは2~3年と長期間続ける必要があります。
また、注射による減感作療法はあくまでも花粉症が治る「可能性がある」というだけであり、100%治るとは言い切れません。
さらに、抗原である花粉を体内に入れることでアナフィラキシーというショック反応が出る可能性があります。つまり副作用です。効果が期待できる程、その反面、副作用が体に出てしまう可能性もゼロではないということを認識したうえで、かかりつけの医師と相談しながら、注射による減感作療法を行うのか、慎重に決めた方が良さそうです。
- 注射以外の花粉症治療にはどのようなものがある?
効果は緩やかかもしれませんが、注射以外にも花粉症の治療方法があります。花粉症患者のなかで最も多いのは薬物療法です。初期治療として、花粉が飛び始める2週間くらい前から花粉シーズン中の症状を軽減させることを目的とした薬の服用を始めます。また、花粉症の症状がひどくなると、第2世代抗ヒスタミン薬や経口ステロイド薬を一時的に服用したり、ステロイド点鼻薬を使用したりする導入療法が始まります。花粉症もちの私は毎年薬物による導入療法で春を乗り切っています。
また、花粉症には手術療法もあります。花粉症における手術療法では、鼻の粘膜の一部をレーザーで焼くことで、花粉が付着してもアレルギー反応が起こらないようにするのです。薬の服用を減らしたいという人や、私の父のように花粉症の症状が辛すぎて仕事にならないという人などがレーザーによる手術療法するケースが多いようです。
- まとめ
どの治療法を選ぶにしても、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった花粉症の三大症状といわれる症状が出てきた場合には、すぐに医師の診察を受けて、医師と相談しながら治療方針を決めてください。