4人に一人が花粉症

花粉症にお悩みの方へ

朝起きたら、鼻水だらだら、くしゃみ連発・・・。
夜鼻がつまりっぱなしで満足に眠れない。
こんな症状で「春イコールゆううつな季節」というイメージの方も多いのではないでしょうか。いわゆる花粉症でお悩みの方は日本人の4人に一人が悩んでいる※と言われ国民病となっています。

4人に一人が花粉症

春はゆううつ。でもちょっと、待ってください。
あなたは耳鼻科で治療を受けられたことがありますか?

耳鼻科では鼻の状態を確認した上で合わせて鼻の粘膜を整える治療もおこなえるので、治療の効果がぜんぜん違うのです。
相性のいい治療や相性のいい飲み薬や点鼻薬と出会い、普段の生活のちょっとしたケアで、春でも心はハッピー!このホームページをご覧になった方が、気持ちのいい春を満喫できるようになっていただければ幸いです。

日本における花粉症

春の風物詩、花粉症。なんで、こんなにスギ花粉が問題になるんでしょう?
それはもともとスギは建築用の木材として積極的に植林が進められたことが関係しています。しかし時代が変わり国産材を使うよりも輸入した方がコストが低くなってしまったため、木材にしごろのスギが伐採(ばっさい)されずに放置されている状況になってしまいました。
じゃあスギを全部伐採してしまえばいいじゃないかというと土砂崩れ対策や他の樹木より優れている二酸化炭素の吸収量の多さ(地球温暖化防止の役割)からスギをなくすわけにはいかないため、花粉の少ないスギへの植え替えを勧めたりしているようです。
しかし植え替えのスピードが、樹齢が30年を過ぎて猛烈に花粉を飛ばすスギの本数に追いついておらず、花粉を飛ばすのに適齢期のスギが年々増えているのです。

お子さんの花粉症

花粉症は大人の病気と思っていませんか?実はお子さんの花粉症は年々増えており、5~9歳で13.7%、10~19歳では31.4%と大人の発症率と変わらないといった状況です(参考:鼻アレルギー診療ガイドライン 2016年版)。これはスギ 花粉の飛 散量が年々増加してきていたり、保護者の方が「鼻水また出ている。。。花粉症かな?」と受診するといった病気に対する知識が深まったこと、さらには小さなお子さんでも泣かずに受けれるスギ花粉症がわかる検査が登場したことにより検査を受けやすくなったことなどが挙げられます。春に鼻水が続いていたり、目をこすっているお子さんは一度検査をうけてみるとよいでしょう。

花粉症の治療法

飲み薬や点鼻薬

この治療の難点は、相性のいい薬を見つけるまでに時間がかかる場合があることです。花粉症のお薬は飲み薬にしても点鼻薬にしてもバリエーションが多いので、これだ!という組み合わせにいきなりたどりつかない場合もあります。ただし、いったん相性のいい薬を見つければ、毎年薬を使っているから効きが悪くなるという心配はないので、春に服用する習慣にしてしまえばOKです。
薬局でも販売している薬もあるのですが、お医者さんの処方がいらない成分で薬を構成していて、やたら眠くなるとか、体がしんどくなる、のどが渇く、といった副作用が強い薬も多いのでお勧めはできません。
特に薬局で販売している点鼻薬については使い続けると依存することになり、ずっと何回も何回も使わないと気がすまなくなって、かえって鼻づまりがひどくなり、最後には手術しないと鼻づまりがとれなくなったりする場合もあるので使わないようにしましょう。

レーザー治療

これは花粉症の季節の前に鼻の粘膜をレーザーで焼いて、鼻の粘膜が本調子にならない間に花粉症の季節をやりすごしてしまおうという治療法です。レー ザー治療の効果が続いている間は飲み薬などは使わなくて済みます。

ただし、鼻の粘膜が修復されると、再び鼻の粘膜が反応するのです。効果の方は大半の方に程度の差こそあれ見込めますが、全員に効果がある訳ではありません。レーザー治療の効果はずっと続くわけではなく、一時的で、有効な期間(鼻の粘膜が本調子にならない期間)は個人差があり早い方では数か月以内に効果がなくなってしまいます。一回で効果が不十分な場合、追加でレーザーの照射が必要になることもあります。
また、鼻の粘膜を焼くとかさぶたができて鼻の症状が一時的に強くなったり、治療後鼻出血がおこることもあります。レーザー治療をしたら1週間以内くらいに受診して鼻の中にできたかさぶたを掃除する必要があります。
時々季節ごとに症状が出たり、短期間の飲み薬や点鼻薬の治療で改善される方には必要性がうすいと思われます。

アレルゲン免疫治療

花粉症というのは「スギ花粉に敏感なアレルギー性鼻炎」のことです。アレルギー性鼻炎が敏感になる物質(これをアレルゲンといいます)にスギ花粉があり、これが体の中に入ると異物と認識して排除するために体が拒絶反応を起こします。この拒絶反応に鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、涙目といったものがあるのです。ですのでスギ花粉が体に入っても敏感でなくなると、鼻や目の症状もおこりません。スギ花粉を体が異物と認識しないように、スギ花粉が体の中にいつもあるようにして、体をアレルゲンに慣らしていって体が拒絶反応をおこすのを抑えようという治療があります。これをアレルゲン免疫療法といいます。
これはスギ花粉のエキスを毎日口の中に垂らしてだんだん垂らす液体の中のスギ花粉の濃度を濃くしていく方法です。
これで、体がスギ花粉を異物と認識しなくなれば、鼻や目の症状とはサヨウナラです。
ただし、この治療は最低2年間は毎日スギ花粉のエキスを使って、最低2年間は毎月1回通院しないといけません。
また、この治療はスギ花粉症の飛散時期(1月下旬から4月下旬)には治療を開始することはできません。当院では6月から11月までこの治療を行っています。

舌下免疫治療サイト

漢方治療

花粉症というのはスギ花粉に鼻の粘膜が反応すること(アレルギー反応)で起こります。西洋の薬ではこのアレルギー反応を抑制することを狙っていろいろな種類の飲み薬が出ています。
ただ、鼻水を抑える働きが強力だと体から水分を出す機能を抑えるので、一緒につばを出す力も抑えてしまい、のどがからからになるといった症状が出ることがあります。また、体のだるさや眠気を起こしやすいのも花粉症の西洋の飲み薬の難点です。
西洋の薬は、この細胞がこの成分を放出するからアレルギー反応がおこるから、この細胞からこの成分を放出するのを抑制しようといった、個別の現象を抑制しようとするのに対して、漢方では個別の現象ではなく全身の状態から必要な成分を組み合わせて処方するといった、西洋の薬とは全く違うアプローチで鼻のコンディションが整うようにもっていきます。

30分でわかる花粉症検査

注射せずに30分後に花粉症かすぐ結果がわかります

3つのメリット

  1. わずか30分で結果が判明!
    忙しい患者さんの強い味方
  2. 指先から数滴の血液を採取!
    負担の少ない検査方法
  3. 1才のお子さんから検査可能!

よくある質問

花粉症について患者さんからよくいただく質問と回答をご紹介します。花粉症は正確な知識があると、非常に日常生活が快適に過ごせる病気でもあります。逆に知識がなくて根性でやりすごそうとすると大変悲惨なことになってしまいます。。。
特に受験や仕事のプレゼンに影響するとえらいことになります。備えあれば憂なし、意外と知らない花粉症のあれこれ、是非ご一読ください。

花粉症は治らないのでしょうか?
現時点では「治す」方法はありません。スギ花粉症はスギ花粉に対するアレルギー反応であり、アレルギー体質を治す治療は見つかっていないからです。ただし、症状を軽くするようにする「アレルゲン免疫療法」や効果的な飲み薬や点鼻薬(鼻にさすスプレー)が開発されているので、春を快適に過ごすことは可能です。患者さん全員に効く決定打になる治療法こそないのですが、それぞれの患者さんにとって相性のいい治療法はあります。「治らないから我慢しよう」ではなく、一度耳鼻科で相談してみることをお勧めします。
花粉症の薬を飲むと眠くて困ります。
以前の花粉症の薬では眠気が強くて困る患者さんが多かったのですが、最近では効果はそのままで眠気を抑えている飲み薬も開発されています。また、飲み薬だけでなく点鼻薬(鼻にさすスプレー)もあるので、飲み薬が眠くて・・・という方は点鼻薬を使う方法もあります。飲み薬も点鼻薬もいろいろ開発されてバリエーションが多いので、どれが自分に合っているのか耳鼻科で一度相談されることをお勧めします。市販の薬はお医者さんの処方なしに使える成分に偏っていて極端に眠気や口の渇きや体のだるさがおこる場合があるので注意しましょう。
花粉症ってすぐ検査でわからないの?
今までの血液検査では検査会社が分析しないとわからないので、すぐにわかりませんでした。しかし、今は30分で41種類わかるアレルギー検査があるので、受診した日に患者さんがスギ花粉症かどうか判定可能です。この検査ではスギ花粉や秋の花粉だけでなく、ハウスダスト(家のほこり)やイヌやネコ、さらには食物アレルギー22種類も同時にわかります。「何度も受診する時間がとれない・・・」とお悩みの方も一回の受診で済みますので、是非一度ご相談ください。(このアレルギー検査は受付時間が制限されています。詳しくは「30分で41種類わかるアレルギー検査」サイトをご覧ください。)
花粉症の時期はずっと薬を飲まなければいけないのでしょうか?
花粉症は大きく分けると「春の花粉症」と「秋の花粉症」になりますが、春と秋で飲み薬(や点鼻薬)の使い方は変わってきます。春の花粉症であるスギは背が高い木なので花粉の飛散範囲も数十km、時には100kmという広範囲に渡ります。ですので、春の花粉症については2月から4月下旬にお薬を続けることをお勧めします。それに対して秋の花粉症はブタクサ、ヨモギといった雑草で背が低いので、飛散範囲は数十メートルと短いです。まわりに畑とか、雑草の生い茂っている空き地がなければ症状自体非常に軽い場合もあります。

院長ごあいさつ

最近春になると鼻がどうもさえない・・・。鼻かぜが春は長引く。
そんな方はおられませんか?花粉症は「ある日突然」おこります。今まで困ってなかったのに・・・、そんな方でも花粉症になっているかもしれません。ご自分で意識されていないだけで花粉症、みたいな方はとても多いのです。日本人の4人に一人が花粉症をもっているというデータ※もあるくらいです。
花粉症は幸いいろいろな治療法があります。ご自分に合う治療法さえ見つけてしまえば花粉症、おそるるに足らずです!
そもそも耳鼻科行ったことないし、花粉症なんて検査したこともないから、花粉症かな?と思ってもよくわからない・・・、大丈夫です。今は20分で花粉症かどうか判定できる便利な検査もありますので、お忙しい方でも一度耳鼻科を受診すれば診断から治療まで完結します。
以前にお医者さんで薬を出してもらったけど眠いし口も渇くしで通院やめました、そんな方も大丈夫です。今はどんどん新しい薬も開発されていますので、眠気がなくて鼻すっきり、花粉症の治療はそんな時代になっています。
マスクしながら鼻ズルズル・・・ではせっかくの気持ちのいい春が台無しです。さわやかに春を過ごすためにも花粉症は耳鼻科でしっかりコントロールしていきましょう。

※鼻アレルギー診療ガイドライン2016

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